エンドロールには早すぎる

ドラマや映画やゲーム。どうしてそれが面白いのかを考察します。

『ペーパー・ハウス』シーズン2感想。ザ・ベスト・スパニッシュ・ドラマ・エヴァー

『ペーパー・ハウス』シーズン2視聴終了。面白かった。俺の中で大切にするドラマの一つになりました。
大人になるにつれて、気が短くなる気がしてる。歳をとり、芸術に触れるのが習慣化すると、だんだん楽しめなくなってくる。純粋に楽しむのを忘れ、細かいところに文句をつけたくなってくるのだ。俺はそういう大人の傾向にはじゅうぶん注意して、物語をポジティブに解釈して、楽しんで作品を消化しようと心掛けているものの、それが上手くいかない時もある。品質に満足できないと察すると、機嫌が悪くなり、自己嫌悪に陥っていく。せっかくの暇潰しが台無しだ。
このドラマは、俺のそういった懸念はすべて吹き飛ばしてくれる。画面に釘付けになり、ただ黙って物語の行方を見守る。すべてが終わった後、俺はとてつもない満足感に浸っている……
ザ・ベスト・スパニッシュ・ドラマ・エヴァー。
本当に面白かった。

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『ペーパー・ハウス』シーズン1を一日中ぶっ通しで観た - エンドロールには早すぎる
↑シーズン1の感想。


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↑公式の動画。主題歌ほんといいわ。


ネタバレあり。

正念場に次ぐ正念場

普通にピンチを切り抜けちゃう教授が相変わらずクールだ。
奴を出し抜くには何をすればいいのか?(笑)

そしてトーキョー。2話だったかな。一線越えすぎだろ……今は都市の名前の奴らが親友なんだろ? 殺そうとすんなよ。マジで。
トーキョーはあまりにもやらかしすぎたため追放処分。逮捕。いい気味だわバーカ…w でもそれでまたリオは自暴自棄になるし。なんなん? もうちょっとお前ら仲間のこと考えようよ。まーでも教授がトーキョー助けるって言って機嫌治ったのは良い意味で単純で良かったよb

教授もちょっとラケルさんに夢中になりすぎなんだよなー……仲間が大変な時に女にうつつ抜かすことがお前の仕事なのか? でも教授なら計算のうちみたいな感じなのかもってところが逆に怖い。
でもこのラケルさんとのやり取りのおかげで、教授も一人の心の通ってる人間だってことが凄く伝わってくるから、外せねえんだよなぁ。上手ぇわ、ほんと。

で、ラケルさんにハマりすぎて教授はヘマをするわけだが、そのせいでもはやトーキョーは助けられないのでは…と思ったのもつかの間、謎のセルビア人4人が登場して華麗に救出成功!
この時はビビったね。おい、こんな奴らいたのかよ! って。(笑) じゃあもっと活用しようぜみたいな。教授不在の時に倉庫に配置しとくとかさ。まあここぞの時って要員なんだろうけどな。逃亡時には必要不可欠だし。
しかもこいつら普通に有能で最後の最後まで普通に使える。しかもヘルシンキのマブダチらしい。あの……マジでどんな繋がりあるんだよ。

トーキョーはイラつく奴だが間違いなく痺れる女でもあるんだよな。バイクで造幣局にカムバックするなんてどんだけ肝が据わってんだ。ただそのおかげでモスクワ死亡。マジでやめて…こういう人が死ぬの辛いんよ(TT)
でもデンバーとモスクワ、モニカあたりの脚本は見事。アルトゥーロは悪いけど生理的に無理。まあアルトゥーロのお陰で強盗への感情移入が容易になるとこはあるか。

印象に残った場面は山ほどあるが、これだけは外せん。ベルリンの最期。
ベルリンは自分なりの美学を持ってる男だ。見苦しく生きるより高潔に死ぬという男だ。そもそも死期が迫ってるのにこの計画に参加してるのが、弟のためなのかも? と思うと、こいつもサイコパスだと簡単に切り捨てられなくなってくる。仲間を逃がし、警察に立ち向かい……彼の最期の戦いは終わった。
うーん……めちゃくちゃカッコ良かったわ。あの女の子はだいぶ可哀想だけどね…彼女のその後の生活が地味に結構気になる。だいぶトラウマになったんじゃね

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↑ベルリンの最期でも流れる本作お馴染みの曲。これ完全にハマったわ。
オ・ベラ・チャオ! ベラ・チャオ! ベラ・チャオ!チャオ!チャオ!
てかベルリン人気すぎだろ(笑)

被害者は一貫して被害者

教授たちは自らを「義賊」とPRしてテレビの向こうの大衆を味方につけるのには、確かに成功した。
とは言え、実際の被害者が強盗をそのように受け止めることはもちろんない。彼らは怯え、今の状況は地獄のようだと考える。
モニカやトーレスのような例外はいるものの、彼らにしたって「まっすぐ自分を見てくれた人がいたから」「仕事がこれほど楽しかったことはなかったから」といったような動機が描かれている。
確かに「何が善で、何が悪か?」というテーマの問いかけはあるものの、被害者の立場は一貫して被害者で、いくら正当化しようと、強盗の独善的な側面を忘れさせないようにしてくれる。

アルトゥーロは何度も脱走を企て、アリソンは反抗的な態度を崩さず、学校の先生は生徒を守ろうとしていた。
ベルリンが手籠めにしようとした女の子だって、生きるために苦渋の選択をした。最後の方で彼女がモニカに吐露したベルリンへの思いは、見所の一つだ。

被害者は一貫して被害者。このスタンスは完璧に成功してる。ハナシを引き締めてると思う。

ハッピーエンド?

仲間の犠牲はあったが、どうにかこうにか強盗は成功した。強盗たちは首尾良く逃亡できたようだ。
何が好きかって、描かれすぎてないことだね。トーキョーとリオのその後は? デンバーたちはどうしてるの? 想像にお任せします。みたいな。正直不穏だろ? だからハッピーエンドで終わったって感じでいいんだよ。綺麗に終わってくれました。

エピローグ。
一年後。よくわからんカップ食品を食べながらニュースを見るニートみたいなラケルさん(笑) 事件後はどうやら物議を醸す発言を残して警察を辞職したらしい。この様子を見ると拠り所の親権も奪われてしまったのかもしれない。切ない(TT)
そんなラケルさんが思い出に浸るように教授に貰ったポストカードを眺めていると、教授からの隠されたメッセージに気付く。
彼女は教授が待っているであろう島に恐らく久しぶりに気合入れてお洒落して駆けつけ、最後の希望を探す。
スマホの充電が切れ、困っていると…というラスト。ひゃーっ! いいね! こういうのでいいんだよ。教授も内心諦めてただろうから最後の嬉しそうな表情見ると和んだ。(てかラケルさんはモバイルバッテリー持ち歩いとけw)

ザ・ベスト・スパニッシュ・ドラマ・エヴァ

本当に面白かった。
元々はこれもスペインのローカルだもんな。イギリスからブラックミラーを買い取ったのも良かったけど、Netflixは仕事をやってくれるぜ!

そして…

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なんとシーズン3が更新されるらしい。うおお!
……いや、嬉しいけど、正直怖い。
シーズン2で綺麗にまとまってるのよ。確かに気になるところや明かして欲しい秘密はあるが、別にそれは求めてないわけよ。
そういうのを見られるかもってワクワクより、教授とラケルさん、デンバーとモニカに、何か不幸なことがあるのではってドキドキのほうが怖い。もう何かあってほしくないわけじゃん。平和に過ごしててほしいわけじゃん。(トーキョーとリオはどうにでもなりそうだから好きにしてw)でも続きがあったら何かあるかもしれないじゃん。怖い。
ESTOCOLMO(ストックホルム)とか書いてあるってことはあの子強盗になっちゃうの?(笑) そもそもどういう話になるんだろうか?
でも絶対見る。めっちゃ夢中になったし、俺の中で大切な作品になったから。