エンドロールには早すぎる

ドラマや映画やゲーム。どうしてそれが面白いのかを考察します。

【傑作】このサイテーな世界の終わり 感想

ティーンに大人気のドラマはいつの時代も変わらない性質を持っている。
少年と少女が出会い、笑いあり涙ありの冒険が始まり、レールから外れて…
「このサイテーな世界の終わり」がどうして面白いのか、まとまりのない文章でてきとうに書き殴っていこうと思う。

ネタバレはある。
だがネタバレなしの作品紹介と簡単な評価も用意してある。親切心というよりか俺がそうしたいだけだ。こういう項目があると頭がクリアになる気がする。
ただし評価の基準はめちゃくちゃなので信用できない。


――↓ネタバレなし↓――


youtu.be

f:id:oniie:20180908183633p:plain

f:id:oniie:20180908183827p:plain

f:id:oniie:20180908183847p:plain


「僕はジェームス。間違いなくサイコパスだ」


自分がサイコパスだと信じる17歳の少年・ジェームスは、そろそろ本物の人間を殺してみたいと感じていた。
そんな彼に、アリッサという少女が話しかけてくる。どうやら興味を持たれているようなので、ジェームスはこいつにしてやろうと決める。
アリッサは何というか、病んでる。メンヘラっぽい。かわいい顔してやることなすことキチガイっぽい。ジェームスは興味を持つ。
アリッサはジェームスに「旅に出よう」と持ち掛け、ジェームスは了承する。殺すのにいい機会を探せるからだ。
だがもちろんキチガイキッズ二人のロードトリップが普通にまわるはずがなかった。
ほのぼのした空気を出しながら、サスペンスフルな一面もある彼らの旅の行方を、俺=視聴者は見守る事になる――…

そして俺は彼らを愛さずにはいられなくなる。


――↓ネタバレあり。注意↓――


Why does the sun go on shining?
Why does the sea rush to shore?
Don't they know it's the end of the world
'Cause you don't love me anymore?
  - "The End Of The World" Skeeter Davis


憎いね。エンディングに流れる音楽がこれ。Fallout 4でも流れてたやつですね。
言わせてくれ。完璧だよ…

ジェームス!!!!!!

お前は、男だ。
俺が保証する。
ジェームスよ、かっこよかったぞ。


二人の冒険は、はじめはまあ、言っても、微笑ましいものだった。
父親の大切な車を盗んで爆発させたり、見ず知らずの他人の家に侵入して好き勝手に振る舞ったりしていたとは言え、まあ、微笑ましいものだった。
ジェームスがアリッサを殺せそうで殺せないのも中々に「あ、こいつ…絆されていってるな」って感じで、紆余曲折あれほのぼのした空気で終わるものだと想像していた。

だがこのドラマ、かなり厳しかった。
彼らは侵入する家を誤ったのだ。
不幸にも、この家の主は、「本物のサイコパス」だった。少女を誘拐して家に連れ込み、嬲り殺し、その様子を撮影してスナッフ・ビデオとして保管しているような外道だったのだ。
家主が帰ってきて、アリッサは襲われそうになった。アリッサもそれまでキチガイに振る舞ってはいたものの、実のところ普通の少女だった。抵抗できずに、涙があふれる。少女が悪人の手に落ちると、ろくでもない結末を迎える。
だがそうはならなかった。すんでのところで、アリッサは無事に助かった。なぜか? ジェームスが家主の首に、ナイフを突き刺して殺害したからだ。

かくしてほのぼのとしたロード・トリップは終わりを迎え、サスペンスフルな逃亡劇が始まる。
俺は震え、夢中になる。

警察が出動し、指名手配され、大事になる。
結局、逃亡する中でもジェームスとアリッサには紆余曲折ある。
地味に印象に残ったシーンがある。ガソリンスタンドであくせくと単調な労働に従事するアルバイトくんのシーンだ。
店長はジェームスたちに気付き通報しようとするのだが、アルバイトくんは意を決したかのように反旗を翻す。上司を密室に閉じ込めて、物資をジェームスとアリッサにぜんぶあげちゃったのだ。
彼もまた自分の世界に嫌気がさし、どこか遠くに逃げたがっている若者だった。だがジェームスとアリッサの「二人の世界」に、他の仲間は要らないらしい。アルバイトくんは置いてけぼりになってしまった。
ちょっと可哀想だった(笑)


現代の日本にも、鬱憤を抱えて過ごす若者たちが大勢いる。
彼らには別の道も無数にある。それなのにメチャクチャな世界に歪められ、その道を唯一の道だと思い込んで生きている。
そんな若者たちにとって、ジェームスとアリッサは、救いの光なのだ。
そして彼らのロード・トリップは、若者たちの夢に他ならない。
だから共感する。ジェームスが笑えば俺も笑う。アリッサが喜べば俺も喜ぶ。もはや憑依してるも同然だ。故に最後のシーンでは、胸が張り裂けることになった。
俺は死んだ。世界が終わった。


今後、アリッサはどうすればいいのだろう?
さんざん、”残された者”の気持ちがどうなのか押し出してきていたのに、ジェームスもそれでよかったのか?
いやわかるぜ。アリッサを売ることなんてできるワケがねえ。起こってしまったものは起こってしまったものだ。時は巻き戻せず、アリッサの人生は続いていく。
そう、「このサイテーな世界の終わり」だ。これから先に待っているものは、ただ想像することしかできない。

ちなみにこのドラマ、かの「ゲーム・オブ・スローンズ」でヤーラ・グレイジョイ役を演じているジェマさんが出演している。
彼女の役どころは、逃亡劇を繰り広げるジェームスとアリッサを追っているものの、彼らのよき理解者になろうとしている警察官だ。
なかなかいい大人なのだが、最後まで彼女が「二人の世界」に入り込むことはできなかった。彼らの世界は、誰も触ることができないのだ。
希望の光としてアリッサのよき理解者になってあげてくれ…


ティーンが夢中になるのも頷けるハナシだ。
俺はティーンというには老けすぎているが、夢中になっている。

ちなみにシーズン2の制作が決定しているらしい。
正直要りますか? 俺は要らんと思う。だって完璧なエンディングだから。
まあ見るけどね。