エンドロールには早すぎる

ドラマや映画やゲーム。どうしてそれが面白いのかを考察します。

『THE BRIDGE/ブリッジ』S1感想。鉛の空、冷たい風、心の燠火。

『THE BRIDGE/ブリッジ』(原題『Bron/Broen』)は、スウェーデンデンマーク合作のテレビドラマ。シーズン4まで制作されている。
舞台はスウェーデンデンマークの両国。二つの国を結ぶ橋で、国境を跨ぐように切断された遺体が発見される。この謎の事件を相手に両国の刑事が共同で捜査に乗り出すことに。その中で、北欧の社会問題や個人的な問題が取り上げられるのだが…

シーズン1で割と綺麗に終わっているので俺はシーズン2以降を見ていない。
数年前に見たドラマで記憶があやふやだが思い出を掘り起こすようにしていこう。
(見返そうと思ったらなんとNetflixにもAmazonPrimeにも配信されていない。契約期間が切れたのだろうか。前は配信されてたハズだが……残念)

まず何よりも、俺の中で印象に残っているのが主題歌だ。今でもたまに聴くくらい大切にしている。

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Hollow Talk / Choir of Young Believers
これは本当に名曲。あまりにも名曲すぎるため、ドラマのオープニングにもエンディングにも使われている。
特にエンディングへの入り方が、凄くセンスを感じて最高。

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↑トレーラー。
これだけ見てもわかるが、映像がなんていうか、薄いよね色素が。でもそれが北欧ミステリってカンジで、逆にアガる要素でもある。寒風吹きすさぶ土地の空気感をよく表している。
この空気感だけでも価値があると思う。

主人公は人の気持ちがわからない病気の女性刑事。恐ろしく有能な女性だが、融通が利かず、孤立しがち。このドラマは彼女の成長物語でもある。
まず俺は、この主人公サーガに対して苛立ちを覚える。それは、彼女に対する理解のなさに起因する。象徴的なのが「救急車は法に違反する」事件。救急車で橋を渡りたい老婆がいた。だが橋は先の殺害事件で封鎖されてしまっている。マーティン刑事は見かねて救急車を通させるが、サーガはそれを規定違反だと咎め報告書まで提出する……。彼女は明らかに問題がありすぎで、人に対しての思いやりが全くないように見える。人に聞かれたくない類いの話を人前で平然としたり、物事をずけずけと言いすぎたりして、周囲からの反感を買う。目の前の人間に対する思いやりよりも、事件の解決を優先する。カウンセラーとかそういう職業には全く向かないタイプの人材だ。俺はサーガの相方マーティンに共感する。マーティンは酸いも甘いも噛み分けたベテラン刑事で、空気の読めないサーガに諭すように接する。
だが最終話の頃には、このサーガというキャラクターが、めっきりお気に入りになってしまう。彼女に幸せが訪れてほしいと願う。こんなことはなかなかない。成長物語の中で、サーガは最高のキャラクターに仕上がっている。


以下ネタバレあり

言えねえよなぁ

みんながみんな、真実を聞きたいわけじゃないんだ……
そうマーティンに言われたことを、サーガは心に留めていたのだろう。

最高のクライマックス。
事件の真犯人に息子を誘拐され、怒り狂うマーティン。そして橋の中(支える部分?)で、マーティンは真犯人を撃ち殺そうとする。サーガはその現場に駆けつけ、息子を見つけた、と言い、もう撃つな、とマーティンを諭す。
マーティン「息子は生きているか?」
サーガ「生きてる」
マーティン「本当に生きているのか!」
サーガ、顔面を歪める。俺は感極まり涙を流す。
これは……今でも思い出せる。言葉にし難い気持ちにさせてくれた名ラストシーンだ。正直他のシーンがあまり覚えていないのだが、このシーンだけは格別で、最高だった。

あー、もっかい見返したいなぁ。S2以降とか結局見てないし。
このドラマ、提起する社会問題がなかなか面白くて惹かれるわけだが、それを考えた真犯人の動機は外野からみたらしょうもない(当人たちにとってはもちろんしょうもなくない)個人の問題に起因しているというのも、ニクい演出だ。
北欧産の、傑作ドラマです。

THE BRIDGE/ブリッジ DVD-BOX

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『高い城の男』S1感想。レトロ・フューチャーの素晴らしき世界とそこに溜まった澱

第二次世界大戦でもしナチス大日本帝国が勝っていたら?
その手合いの作品がコレ。『高い城の男』はAmazonPrimeVideoの限定配信ドラマで、歴史上でも屈指のIF世界を提示する。
世界はもうドイツと日本の意向を無視してまわることはできず、アメリカの領土はブレッドを切り分けるかのように分割されている。善良なるアメリカ国民は、抑圧されて日々を過ごしている。そういう世界だ。主人公は、その世界を変えられるかという戦いに身を投じることになるのだが…

――↓ネタバレなし↓――

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↑トレーラー。

まず映像が良い。
レトロな風景。クラシカルな小物。IF世界が舞台なだけはある。そういったものに溢れた独特の世界観を見せられる。照明は明るすぎず、異文化混じり合った独特の景観が幻想的な気分に浸らせてくれる。
これはこのドラマの最大の「美」だ。見ていて、飽きない。この世界のことがもっと知りたくなる。

とはいえ連続ドラマにおいて大切なのはキャラクターだ。ろくでもないキャラクターばかりなら、他がいかに素晴らしくてもどこかで萎えてしまう。
主人公は中年女性で、後先を考えずに行動してしまうタイプだ。最初はまだいいが、話が進むにつれて、そろそろブレーキをかけてほしいと誰もが思うことになる。運転で言ったら、だいぶ横着なドライバーだ。公道を走ってほしくない。だがまぁ、そこは大目に見なくてはならない。彼女が主人公であることは変えられない。
スミスというナチスの上官などはなかなか興味深い人物だ。彼のことはもっと知りたくなる。自分に正義がある、自分のやってきたことには意味がある、自分の任務は世界を幸せにするためにある、と信じてはいるものの、もちろんそれは歪んでいる。だが彼をナチスのクソ野郎と一言で切り捨てられないのも事実だ。職務に忠実で、家族には愛情をもって接し、ナチスでさえなければ…みたいなキャラクターに仕上がっている。だがそれが魅力だ。彼のような魅力的なキャラクターがいると、もっとドラマの続きを見ようという動機が強まる。


――↓ネタバレあり。注意↓――

誰か彼女を止めてもらえませんか?

本作の主人公のジュリアナは、明らかに周囲に不幸を振りまいている。
大局的な視点で見れば、今後ジュリアナが大きな花火を打ち上げてくれることは間違いない。ただし、S1での彼女の行動は、主人公としてはあまりにもおぼつかないものだった。かわいいからって何をしても許されるのか!?
彼氏のフランクを絶望のどん底に叩き落した件では、不快ではあるものの、まだ、仕方のないことだ、彼女はあまり責められない、という立場でいられる。
彼の妹と姪と甥は殺された。理由は彼が、重要なアイテムを保持したジュリアナの行き先を憲兵隊に教えるのを拒んだから。これは不幸な事件だった。実際に何が3人を殺したか? ガス? 木戸警部? 日本? ジュリアナの情報開示を拒んだフランク? あるいはジュリアナ? どれもそうだ。いずれにしても、彼女の行動は少しばかり、軽率だった。日本が血眼になって追っているフィルムを持つ彼女が行方知れずとなれば、同棲してるフランクに危険が及ぶのは誰だってわかる。フランクも奇跡的に助かってはいるが、本来なら殺されていた。フランクが一命をとりとめたのも、別にジュリアナのおかげというわけではない。それは偶然だった。秤が不幸に傾きすぎなかっただけだ。物語の序盤で、主人公はまだ自分のことしか頭にない子供だった。この一件で、フランクは日本に復讐を誓うようになる。そしてジュリアナからしたら、自分の行動が不幸を招きかねないというわかりやすい教訓になるはずだった。
しかしジュリアナは……学ばなかった。

ジョーに言いくるめられてレジスタンスを裏切った。いや、気持ちはわかる。ジョーが良い奴なのは間違いないし、彼にジュリアナを守る意思があることも。本能に従えば、殺せるわけがねえ。だがジュリアナは経験から、この世界では権力がどれだけものを言うのか、理解しているはずだ。そもそも、そうでなければ彼女の行動の動機を失う。フィルムすら奪回できない。それでいいのか! 当然よくない。これでは彼女の大義名分は失われ、全てを台無しにしている。
フランクたちだけが彼女に振り回されてはいない。
俺も彼女に振り回されている。
一体これからどうなってしまうのか?
彼女のふらついた運転で、どこへ向かうのか?

それにしても脇キャラが魅力的だ。
先述したがスミスが面白い。恐ろしく有能な男だが、可哀想な部分もある。話の後半になると、息子が筋ジストロフィーだと判明する。病気系はやめろ。まず絶対に泣く。しかも病気がじわじわ進むタイプだから、俺はもう駄目だ。観る前にそういう雰囲気があるなら警戒もできる。だが既にドラマに夢中になっていて逃げられない。俺は罠にかかったネズミのようなものだ。奇跡的に治るということは考えられず、スミスがどういう選択をするのか、俺は固唾を飲んで見守ることになる。

AmazonPrimeVideo限定配信ドラマも質が高くて面白いものが本当に増えている。
まあこれは結構前からのスタートで、シーズン3まで今はあるけど。マーベラス・ミセス・メイゼルやジャックライアンもそのうち感想書きます。
高い城の男、面白いです。

Amazonプライム・ビデオ

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『THE BLACKLIST / ブラックリスト』シーズン5感想。汝自身を知れ

Netflixにようやくブラックリストのシーズン5が来たのでさっそく観ました。
レッドは自身の犯罪帝国が崩壊してしまったので、その再建をする。そして自分の大切な秘密をリズやトムやその他もろもろの勢力から守るために動く、と。
正直、中だるみするなぁ~とは思いつつ、何だかんだ面白くて、好きなドラマです。
リズのどうでもいい葛藤とかほんとどうでもいいわと思いつつ、レッドや犯罪者たちが魅力的で追い続けちゃうとこあるよね。
新キャラだったら、スモーキーさんとか好き。てかバズが一回も出なかったんだけど、え、マジで死んじゃったんかね。地味に好きだったからめっちゃ残念だわ。

感想。ネタバレ注意。

犯罪帝国の再建

リズも全面的にレッドを信頼するようになっている最初のほうは、なかなか新鮮で面白い。
レッドも言うてこれまでみたいに人脈を好きに使えるわけではなくなってて、犯罪帝国の再建に必要な新しい人材をスカウトしたりとか、結構面白い。なんなら犯罪者のスカウトだけで20話余り使っても俺は満足した(笑)
まあもちろんそんなわけにはいきませんわな。トムは真実の追及に必死で、危ない橋を渡り始める。

知りすぎた男の末路

いやー、まさか。
まさかトムがぶっ殺されるとは思わなかった。
つっても正直偽装もあり得ると思ってる。次のシーズンでひょっこり実は生きてましたーwとか言って出てくる可能性も、否定はできない感じだった。
それでもぶっ殺されるとは……しかも8話で(笑)
まあ彼は少し詰めが甘かった。彼のような有能にしては、働きがイマイチもたついていた。彼の行動はことごとく空回りし、無実の人間を死なせ、ついには自分も殺された。
トムよ、お前は嗅ぎまわりすぎたのだ。

イアン・ガーヴェイが中々特徴的な人物で面白かったんだけど、もっと彼の活躍を見たかったね。
結局雑に処理されちゃったからね。トムをぶっ殺した極悪人でありながら、脚本的には"本物の娘"へ繋げるための架け橋程度の存在にしか過ぎなかったのだろうか?
うわ、もう一度見直そうかな…ちょっと記憶もう曖昧だわ。この記事を書いてるのが観終わって一か月後とかなので…

汝自身を知れ

あんま言いたくないんだけど。
俺、陰口嫌いだしあんま言いたくないんだけど。
言わせてくれ。

リズ…ってさ。
うざくね?
いや! いい奴なんだけど。
俺ほんと、こいついい加減にどうかと思うよ。

こいつさ、本当にそれでいいのか? マジでよ。
こいついくらなんでも脚本に振り回され過ぎなんじゃねえの??? やばいくらいフラフラしてるだろマジで。誰か彼女にガツンと言ってやれよ。
レッドをどうするって??? もうしょうもない内輪もめはうんざりなんだが…
衝撃的な事実とやらで、簡単に揺さぶられすぎだろ。いい加減にしようよ。そしてまた何かあったらひよるのか?

エリザベス・キーン通称リズ。彼女は主人公なのに、もはや、脚本を動かすための駒にしか見えない。
レッドから心から大切にされていることを受け入れないならまだしも利用さえして、騙して、最後にはレッドを破滅させる宣言をする。リズよ、本当にそれでいいのか。 
俺は言いたい。「汝自身を知れ」
彼女はこの長い旅の終わりで、自分自身の真実を見つけることになるだろうが、それが自分の幸福や他者の幸福に繋がるのかは、はなはだ疑問だ。
彼女の本質はとても独善的で、自分の欲求を満たすためなら何でもする人間、というようにしか受け取れない。レッドと何が違うのか? いや、それに気付く旅がこれからのシーズンのテーマになるのかも。 
まあそれはいいとして、リズは半歩引いて自分の状況を眺めたことがあるのだろうか? 彼女ほど賢い人間なら、もっと何か、大事なことに気付くことができるんじゃないかと思う。シーズン1からシーズン5までの流れの中で、彼女の感情の揺れ動く様を俺は見せつけられるわけだが、リズというキャラクターはあまりにも共感できない。お前が重要な人間なのはわかってる。だからお前は周りに振り回されずに自分で物事の主導権を握ってみろ。そろそろ。まあ、今までもそうしようとはしてたか。空回りしてただけで。
次のシーズンこそはリズに共感と好感を持ちたいものだ。

ちなみにアメリカでは既にシーズン6が開始されている。
Netflixにあがるのはどうせ年末だろう。何だかんだ面白いドラマなので正直待ち遠しい。

『ファイナル・テーブル』Netflixがまた豪華な料理番組を配信

Netflixってこの手の番組多くないですか?
道具と食材を用意して、タレントを揃えて、何か課題を与えて自由にやらせてみるみたいな料理番組です。
スイーツを作るほのぼのとした番組もあれば、"大麻料理"を創作するという怪しげな番組も配信されてますよね。
やっぱり料理って普遍的な人気テーマですから、ウケもいいんでしょうね。
俺は料理の出来を競い合う系の番組があまり好きじゃありません。何故か? 俺の料理に対する見識が浅いから。しかも画面の向こうの料理なんて喰えねえし、高級料理なんか作れねえし、みたいな。でもこの番組は観ました。タレントが豊富だから。
審査員にグラント・アケッツやエンリケ・オルベラなど俺の好きな『シェフのテーブル』という番組でも取り上げられてた名前があったので、彼らが出演すると言うことは、彼らと肩を並べる才覚者たちも出演するだろうと期待してのことです。(俺は料理番組で料理そのものより料理人に注目してる浅ましい人間です)
期待は裏切られませんでした。審査員には成澤由浩シェフの姿もありました。世界のベストレストランなどで検索すると日本のお店では彼のレストランの名前がよく目につくので、気になってた人物でした。少しだけでしたが観れてよかった。
日本人シェフとしては、挑戦者として石川県で料亭を営む高木慎一朗氏が出演していました。彼を検索すると、日経の記事で取り上げられているのがすぐにわかりますが、日本食ブランディングに対してとても意識の高い人です。実際、農林水産省から「日本食普及の親善大使」に任命されているそうです。この番組への出演は、その取り組みの一環なのかもしれません。全然知らない人でしたが、彼を応援するのは自然なことでした。

『ファイナル・テーブル』の内容。
世界中の名店から腕利きのシェフたちが集められて、みな等しく挑戦者となり、世界のどこか特定の国の伝統料理を創作しろと言われ、その出来を競い合わされる番組です。他より出来の劣るものを作ってしまった1チームは敗退します。もちろん次の収録にはおらず、課題には挑めません。
審査員には各国を代表する、"料理で世界を変えてきた"とも言われる超一流のシェフが並びます。挑戦者は彼らの容赦のないレビューに晒され、勝ち抜いた最後の一人だけが彼らと同じ席(ファイナル・テーブル)につけます。
お門違いのジャンルの料理を、制限時間60分以内に仕上げろ、ということなので、修羅場を乗り越え栄光を手にしてきたひとかどのシェフと言えど、厳しい戦いを強いられます。競う相手も一流ばかりなので尚の事です。
メキシコ、スペイン、イギリス、ブラジル、インド、アメリカ、イタリア、日本、フランスの伝統料理の一風変わったメニューが見られます。最終回は個人戦で、自身の代表作を作れと命じられます。

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以下ネタバレあり。

情報の味付け

まず、やっぱり料理人にとって「星」っていうのは特別な価値を持つことなんだなぁと強く思いました。
番組内では「こうこうこういう努力を続けた。そして私のレストランは星を貰った」「彼らのレストランは星を持っている。競い合えて夢のようだ」など、事あるごとに「星」という単語がでてきます。
集客とか格とか誇りとか、そういう何かしらが星のある・ないでは全然違うと、料理人自身が一番思っているのかもしれません。
どこどこ推薦、なになに賞受賞、これこれ評価9.0以上みたいな、「格付け」的なあれが世に溢れすぎているため、俺は麻痺していて、大切なことを忘れていたようです。
客目線では明らかに需要があります。みんな料理に対しては、評論家ぶりたいものです。しかし、自分の舌に自信のある人がどれほどいるでしょうか? 俺はウイスキー好きを自称していますが、実のところ、マッカランの18年を頂いても、バランタインファイネストを飲む程度のありがたみしか感じない可能性は、十分あります。何故か? 何が本当に良いものかを定義する自分の感性に、自信が持てないからです。確かに違う味わいだが、大金を払うほどの価値があっただろうか? ウイスキーが好きというのは毎晩アルコールを摂取するために自分に言い聞かせてるだけなのではないか? そうだとしたらバラファイで必要十分なのではないか? という具合です。そして俺はネットで検索し、マッカランは極上でプレミアムで他の安物にはない至福の時間を提供してくれるものだとする評判を見つけ、ようやく安堵の溜め息をもらすわけです。料理についても似たようなことが言えます。寿司を食べたい気分でも、一皿百円の回転寿司では済ませたくない、と俺が考えていたら、一体どの店を選べばいいのでしょうか? 上質の食材を使い、経験のある料理人が調理し、雰囲気のある空間で食事をするのなら、その価値を分けるのは何なのか? 自分の感性を信じる根拠はどこにあるというのでしょう? 誰だって、本当に良い店で食べたいが、毎日のように違う店を渡り歩いて比較して感性を磨き本当に良い店を見つけていく……といった余裕のあるプロセスを踏むのは難しい。年に一度の特別な日にしか訪れないような高級店なら尚の事。そういう時、「星」は役立ちます。情報を食っていると言われようが、評論家がこの店には素晴らしい価値があるというのなら、みんな信じます。現にそう評価されていたら、それが現実なのです。これに懐疑的な意見を持った時は、自分の感性を試し、成熟させていくチャンスだと言えます。情報の味付けなしにお店の料理を食べる。正直羨ましいですよ。
そもそもこの番組の趣旨自体が格付けですしね。最初のメキシコ戦で敗れた人たち可哀想…(TT)

一つだけ気になったのが。
終戦以外はシェフが二人一組で料理するわけですが、彼らは口々に「相方と組めてよかった」「相方とのきずなが深まったのが一番の収穫」「相方との料理体験はスペシャルなものだった」などと評します。まあ、それはいいんですが、もうちょっとそれがよくわかるようなストーリーを立てたほうがより説得力が出たのでは? と思います。いや、疑ってはいません。そりゃ、そんなことは頭で考えればわかってる。常識的に考えればね。そりゃ当然、こんな舞台でこんな作業をしてれば絆は深まりますわ。でも何かちょっと薄っぺらかったんだよね。本音とは思うけど、やっぱ人数多いし一人一人のシェフがカメラに映る時間もそんなになかったしさ。もっとキズナを押し付けるような演出があったほうがわかりやすくグッときた可能性はある。優秀な構成のいる番組では、恐らくもっと視聴者を出演者に感情移入させるストーリーを仕掛けてきてたと思う。まぁ、そこが主題でなかったかもしれないし、リアルなシェフたちなので過剰な演出なんてキモイだけ、ってことかもしれませんが。もしくは単にまとめる時間がなかっただけかも。つってもそこにあるのだけが現実ですから、しょうもない難癖はここまでにしておきましょう。こういうの改めて二回目見ると印象全然変わったりするし。
それにあのオーストラリアのベテラン二人組は凄く説得力を感じました。あいつらは良かった。ラファ&エスドラスも好きだった。てか好きな出演者なんだかんだ多いな。チャールズ&ロドリゴとか絵になりますよね。料理に”哲学”を凄く感じて、いい。

ファイナル・テーブル

優勝者はティモシー!
正直地味だと思ってました。でも最後の最後でかっさらっていきました。
終戦の課題は「代表作」を作るコト。審査員席にずらりと並んだ創作料理の一流シェフたちは、リスクのあるものが好物です。他の挑戦者は、今まで試さなかったものや番組に出演したことによって学んだことを頭に入れて、店では出していない料理を新しく考えていました。しかしティモシーは自分の店で出している、自分にとって思い入れのある料理を出しました。批評タイムでは、リスクをとらなかったティモシーの料理は最初、劣勢に見えました。他のみんなはリスクをとっているのに安全策はフェアではないのでは、という耳の痛い意見もありました。そんな中グラント・アケッツは言いました。「自信のあるものを提供するのは悪いことではない。リスク回避というのなら、他のプレートにも多かれ少なかれそれは表れている。鳩なんて美味いに決まってる。一番大事なのは、味だ」
というわけで、一番「ウマい」料理を出したティモシーが勝利して、ファイナル・テーブルの座につきました。もちろん味だけではなくすべてがパーフェクトだから、ということらしいです。
18歳で皿洗いの職に就いたティモシーの選択は、間違いじゃありませんでした。This is Dream. ストーリーのある終わり方でした。

てか、どうでもいいですがグラント・アケッツの喋り方が好きです。
な~んか特徴的で面白いですよね。
この方は料理人なのに味覚を失う病気にかかったりしてる苦労人です。(ってか、シェフに苦労人じゃない人なんてそうはいないか……激務だしね……休みも全然とれないらしいじゃん? 優勝者のティモシーはそれに疑問を感じて三ツ星の料理店を辞めたらしいからね。自分の店を持ってる今は本当に家族と過ごしたり何も考えず休んだりしてる時間をとれているのだろうか? 気になる)

総評。
確かに面白かった!
創作料理の数々は見てるだけで感動するし調理のテクニックも凄いし出演者のキャラクターも濃くて面白かった。
けどやっぱり俺は、なんか好きになれねえな、と思ったのは、一流のシェフの作る料理がたった数人のレビュアーの好みで比べられ批判され敗退までしてしまうっていうのが、なんか感情移入しちゃって、挑戦者可哀想だなぁって、勝手に思ってるからです。とはいえこの番組は凄く面白かったです。仮に続編が見られるなら、フレンチとかもいいけど、もっと発音もできないような他の国のよくわかんない伝統料理とかでバトってみたら面白いんじゃね? とは思いました。
Netflixは料理系の番組多いからもっと見てみようかなぁ~。

Netflix

Netflix

『JUDGE EYES:死神の遺言』クリア。感想。キャラクターの話

ジャッジアイズ。
このゲームはかの有名な「龍が如く」のスタジオが作った新作。
しかし俺は「龍が如く」は一切プレイしたことがないし、舞台になっている神室町のことも何も知らない。
『JUDGE EYES:死神の遺言』のメインストーリーをクリアし、町の評判もMAX、サイドケースの最後の依頼も完了。起きてから寝るまでずっとこのゲームに熱中していたがそろそろ休んで感想を書く。
プレイ時間は50時間。

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↑オープニングムービー。
キムタクが主演で話題だが俺は特に思い入れもないので、あー、そうなんだ、という感じ。キムタクのことは実は何も知らない。TVっ子じゃなかったので…
でもすげぇよな、って思う。トップアイドルを主演に据えるなんてマジでやってくれたなって感じだ。キムタク以外にも名のある俳優がモデルになっているので、詳しい人が少し羨ましい。
知ってる上で色々楽しめる方が得なんだよ。

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↑ストーリーショートトレーラー。
ショートと言う割に結構長い。しかも後から思えば結構ネタバレ気味だ…
キムタクが「参っちゃいますよ、あの裁判はまぐれもあったってのに」とぼやくシーンがあるが、そのまぐれが、とても胸を打つものであります。正直泣いたわ

このゲームは面白いのか?
龍が如く」も「キムタク」も知らない俺が言うぜ。めちゃくちゃ面白い。
たしかに苦しい部分は散見されるものの、これくらい高品質なら、世界で売れる可能性は十分ある。
特に物語が最高だ。やりすごせなかった出来事や苦い思い出を持つ人たちの哀愁が感じられて、良い。ハナシはまとまってて、アツい。テーマがはっきりしててわかりやすく、誰にとっても重要な問題も含まれている。例えば高齢化社会の日本で、「認知症」という社会問題について提起しているのは俺は好きな要素だ。
苦しい部分が何かと言えば、例えば尾行ミッションは苦痛に近かった。その名の通り対象を尾行するというミッションだが、まずぐずぐずと長い時間がかかる上に、ちょっと対象が画面から外れると見失った扱いになりBGMが不穏なものに変わりストレスがたまる。そもそもつまらん。あれは改善の余地が十分あるはずだ。とは言え、チープな部分を補って余りあるアクティビティがあるので本作はかなり楽しめる。


ネタバレあり


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↑風変わりな仲間たち。忍者、殴ってみろ屋、おしゃれ、ニート
このミッションは終盤のサイドミッションなんだが、すごくアツかった。
こういうのがあると50人のフレンドも作り甲斐があるというものだ…


事件の犯人や関係者の名前をがっつり出すネタバレになるので注意。
キャラクターの話。


八神
主人公。キムタク。イケメン。3年前の事件で心に傷を負い弁護士を辞め、地元で探偵業を営んでいる。
強く有能で諦めの悪い男。あまり表情豊かなタイプではなく写真ではぎこちない笑顔が見られる。クール。

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よくチンピラに絡まれるのも納得なほどスカした態度を崩さない。
海藤さんや杉浦くん、東、星野くん、さおりさんなど、仲間に恵まれる。
すべてが終わった後、彼は弁護士としてではなく探偵として生きる道を選んだ。
おいそれって続編があるってことでいいんだよな? マジで期待してるぜ。


真冬
検事。
なぜか八神の彼女気取り。事あるごとに現れる。めっちゃいい子。
一番かわいくて八神にとっても大切な存在のはずだが、八神は彼女を放っておいて一回りも歳の離れた学生やシンガーの卵、怪しい占い師や仕事第一のOLに熱をあげている。真冬が可哀想だろ。八神よ、それでいいのか…

彼女の同僚の坊主頭の検察官や検事正も一癖あって面白い。坊主頭が最後味方になる時はかっこよかった。「忖度より法を選ぶか?」という八神の問いかけに坊主頭は「法を選ぶ。検察官なら100人が100人そう答える!」と断言した。おい、めっちゃ嫌な奴だったのに最後で株爆上げしてきやがった。くそー、憎めねえ。しかも最後の綾部の裁判で、検事正を告訴したのは熱かった。史上最悪の汚職事件として名を残しただろうな。


大久保くん
死刑囚。
正直めっちゃ可哀想だった。大久保くんの彼女、エミちゃんはさらに可哀想だ。
裁判でのエミちゃんの振る舞いは胸にぐっときた。でもその後すぐに殺された。ナイフで15回も刺されたあと燃やされた。大久保くんはそのやってもない罪で死刑宣告された。
彼らは幸せになってほしかった……だからこそプレイヤーとしても、許せねえという気持ちで真実を明らかにしていけるわけですな。


生野
人畜無害に思わせてほんまもんの悪党。死ね。あ、死んだわ。でも法の裁きを受けてほしかった。なに楽になろうとしてんだ? 逃げてんじゃねえや! ほんと、最後の最後までイラつく野郎だった。
「人は、自分が正義だと思ってる時が一番怖い」とは海藤さんの言葉だったか? 忘れたが、この言葉がしっくり当てはまる。自分に正義があると思い上がり、生野は悪魔へ魂を売った。
人類を救う薬を開発しているのなら、少々の悪行には目を瞑るべきではないか? という問いかけがある。生野は確かに外道だが、彼が開発する薬は将来的には何千万という人間を救うのだから、多少の犠牲は仕方ないのでは? と。
この意見は、サンタクロースを信じる子供のようにおめでたいと言える。
薬が完成したとしてもそれを運用するのは社会だ。社会は薬の化学的作用が動かしてはいない。化学以外の様々なものが介入する以上、倫理上の問題を脇に置くということは、絶対にできない。
そして八神の言う通り、生野は保身しか考えていない。そもそも臨床試験を待たなかったのが事の始まりだが、失策は受け入れるべきだった。なにせ、研究は引き継ぐことが可能なのだから。生野が刑務所に入ろうが、世界は問題なく回る。薬は他の人間が完成させる。なぜそうはならなかったのか? 臨床試験を待たずおじいちゃんに新薬を試して殺してしまったのは失策だったが、それを隠蔽するのはさらに良くなかった。しかも裁判で自分の思うようにことが運ばなかったからといって、エミちゃんを殺したのは最悪の選択肢だった。わかるよ。お前は、自分の身が惜しかったんだろう。大義を言い訳に保身に走った。さらに悪いことに、ここまできたら引き返せないと生野は感じたかもしれない。このルビコンの対岸で。不正な人体実験を繰り返し殺人を容認し、それでもなお「自分は人類の救済のためにやっている!」と口にするようではマッド・サイエンティストというよりなく、彼の顔つきは、悪魔そのものだった。
有史上、「正義の名のもとに」大量殺人は繰り返されてきた。人は過ちを繰り返す。問題を起こすのはいつも決まって、神の紛いものたちだ。

厚生労働省の大物・一ノ瀬や創薬センター長・木戸など、生野を取り巻く連中ときたら揃いも揃って外道ばかりで、人間の闇の部分を思い切り見せつけられているようで中々心が痛かった。
木戸も悪い奴だが、裁判での証言は中々哀愁漂うものがあった。考えてみれば、こいつは女癖が悪いという軽蔑する点はあるものの、事件においては可哀想な奴だ。


黒岩
神室署組織犯罪対策課の有能な刑事。だがその裏の顔は情報屋・バイヤー・殺し屋で、神室町の連続殺人に深く関わる。
いや、こいつは怖すぎる。めっちゃヤベェ奴だろ。
このゲームはヤクザ・裏社会のテイストが強いが、それにしては意外なくらい人の死は重大なものとして扱っている。
だからこそ一人の人間の殺害がおおごとになる。死体が見つかればニュースになり、関係者は大騒ぎする。警察が辺りを封鎖し、検察が公訴を提起し、弁護士が雇われる。
そういったこのゲームの雰囲気に慣れてきた、と思わせてきてからの、この黒岩の所業は、マジでびっくりする。彼は本当にためらいなく人を殺す。ヤクザの揉め事が起こってたキャバレーで、黒岩はいきなり現れて人を何人も撃ち抜いていった。まるでヤクザの揉め事なんて俺にとっちゃままごとだぜ、とでも言いたげな感じだった。
欧米のゲームとかだと銃を扱えるのは基本中の基本だが、日本ではそう簡単には銃を扱えない。警察やヤクザだって制限されてる。それなのにこいつときたら…恐ろしいにも程がある。いくらなんでも殺しすぎだ。
こいつのせいで、とたんに人の命が軽くなってしまったように感じさせてくる。悪党の中の悪党だと。こいつは結局ラスボスなんだが強すぎてやばかった。なんで復活すんだよw 化け物。


羽村
松金組の若頭。彼の仕事のお陰で組はまわっていけてる。黒岩とは長年の関係。
ああ、こういうキャラが良いんだよ。悪い奴だけど。
紛れもない悪党だし、人も殺せるキャラだが、こいつ自身も大いなる車輪の部分品という現実に、哀愁を感じる。
オープニングでめっちゃ人相悪くて好き。


新谷弁護士
経験豊富な弁護士。功を上げた八神に劣等感を抱えている。
こういうキャラが大切なんだよ。本当に興味深いキャラクターでもある。
功を焦って逸り、殺された。八神に対して負けられないという意識もあっただろう。彼の心情は推し量るに余りある。
八神にとっては口うるさい先輩であり、業界での身の処し方を教えてくれた師だった。
彼の死は八神や源田法律事務所の面々に大きな影響を与えた。


正直大して、と思っていたが、こう並べてみると魅力的なキャラクターがやはり多かった。
ケンゴとかも結構気になるんよ。あいつはクソガキだが威勢がよくて将来有望だね。
良いキャラ多いとそれだけハマれる。このゲーム、今年最後の名作です。

『ペーパー・ハウス』シーズン2感想。ザ・ベスト・スパニッシュ・ドラマ・エヴァー

『ペーパー・ハウス』シーズン2視聴終了。面白かった。俺の中で大切にするドラマの一つになりました。
大人になるにつれて、気が短くなる気がしてる。歳をとり、芸術に触れるのが習慣化すると、だんだん楽しめなくなってくる。純粋に楽しむのを忘れ、細かいところに文句をつけたくなってくるのだ。俺はそういう大人の傾向にはじゅうぶん注意して、物語をポジティブに解釈して、楽しんで作品を消化しようと心掛けているものの、それが上手くいかない時もある。品質に満足できないと察すると、機嫌が悪くなり、自己嫌悪に陥っていく。せっかくの暇潰しが台無しだ。
このドラマは、俺のそういった懸念はすべて吹き飛ばしてくれる。画面に釘付けになり、ただ黙って物語の行方を見守る。すべてが終わった後、俺はとてつもない満足感に浸っている……
ザ・ベスト・スパニッシュ・ドラマ・エヴァー。
本当に面白かった。

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『ペーパー・ハウス』シーズン1を一日中ぶっ通しで観た - エンドロールには早すぎる
↑シーズン1の感想。


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↑公式の動画。主題歌ほんといいわ。


ネタバレあり。

正念場に次ぐ正念場

普通にピンチを切り抜けちゃう教授が相変わらずクールだ。
奴を出し抜くには何をすればいいのか?(笑)

そしてトーキョー。2話だったかな。一線越えすぎだろ……今は都市の名前の奴らが親友なんだろ? 殺そうとすんなよ。マジで。
トーキョーはあまりにもやらかしすぎたため追放処分。逮捕。いい気味だわバーカ…w でもそれでまたリオは自暴自棄になるし。なんなん? もうちょっとお前ら仲間のこと考えようよ。まーでも教授がトーキョー助けるって言って機嫌治ったのは良い意味で単純で良かったよb

教授もちょっとラケルさんに夢中になりすぎなんだよなー……仲間が大変な時に女にうつつ抜かすことがお前の仕事なのか? でも教授なら計算のうちみたいな感じなのかもってところが逆に怖い。
でもこのラケルさんとのやり取りのおかげで、教授も一人の心の通ってる人間だってことが凄く伝わってくるから、外せねえんだよなぁ。上手ぇわ、ほんと。

で、ラケルさんにハマりすぎて教授はヘマをするわけだが、そのせいでもはやトーキョーは助けられないのでは…と思ったのもつかの間、謎のセルビア人4人が登場して華麗に救出成功!
この時はビビったね。おい、こんな奴らいたのかよ! って。(笑) じゃあもっと活用しようぜみたいな。教授不在の時に倉庫に配置しとくとかさ。まあここぞの時って要員なんだろうけどな。逃亡時には必要不可欠だし。
しかもこいつら普通に有能で最後の最後まで普通に使える。しかもヘルシンキのマブダチらしい。あの……マジでどんな繋がりあるんだよ。

トーキョーはイラつく奴だが間違いなく痺れる女でもあるんだよな。バイクで造幣局にカムバックするなんてどんだけ肝が据わってんだ。ただそのおかげでモスクワ死亡。マジでやめて…こういう人が死ぬの辛いんよ(TT)
でもデンバーとモスクワ、モニカあたりの脚本は見事。アルトゥーロは悪いけど生理的に無理。まあアルトゥーロのお陰で強盗への感情移入が容易になるとこはあるか。

印象に残った場面は山ほどあるが、これだけは外せん。ベルリンの最期。
ベルリンは自分なりの美学を持ってる男だ。見苦しく生きるより高潔に死ぬという男だ。そもそも死期が迫ってるのにこの計画に参加してるのが、弟のためなのかも? と思うと、こいつもサイコパスだと簡単に切り捨てられなくなってくる。仲間を逃がし、警察に立ち向かい……彼の最期の戦いは終わった。
うーん……めちゃくちゃカッコ良かったわ。あの女の子はだいぶ可哀想だけどね…彼女のその後の生活が地味に結構気になる。だいぶトラウマになったんじゃね

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↑ベルリンの最期でも流れる本作お馴染みの曲。これ完全にハマったわ。
オ・ベラ・チャオ! ベラ・チャオ! ベラ・チャオ!チャオ!チャオ!
てかベルリン人気すぎだろ(笑)

被害者は一貫して被害者

教授たちは自らを「義賊」とPRしてテレビの向こうの大衆を味方につけるのには、確かに成功した。
とは言え、実際の被害者が強盗をそのように受け止めることはもちろんない。彼らは怯え、今の状況は地獄のようだと考える。
モニカやトーレスのような例外はいるものの、彼らにしたって「まっすぐ自分を見てくれた人がいたから」「仕事がこれほど楽しかったことはなかったから」といったような動機が描かれている。
確かに「何が善で、何が悪か?」というテーマの問いかけはあるものの、被害者の立場は一貫して被害者で、いくら正当化しようと、強盗の独善的な側面を忘れさせないようにしてくれる。

アルトゥーロは何度も脱走を企て、アリソンは反抗的な態度を崩さず、学校の先生は生徒を守ろうとしていた。
ベルリンが手籠めにしようとした女の子だって、生きるために苦渋の選択をした。最後の方で彼女がモニカに吐露したベルリンへの思いは、見所の一つだ。

被害者は一貫して被害者。このスタンスは完璧に成功してる。ハナシを引き締めてると思う。

ハッピーエンド?

仲間の犠牲はあったが、どうにかこうにか強盗は成功した。強盗たちは首尾良く逃亡できたようだ。
何が好きかって、描かれすぎてないことだね。トーキョーとリオのその後は? デンバーたちはどうしてるの? 想像にお任せします。みたいな。正直不穏だろ? だからハッピーエンドで終わったって感じでいいんだよ。綺麗に終わってくれました。

エピローグ。
一年後。よくわからんカップ食品を食べながらニュースを見るニートみたいなラケルさん(笑) 事件後はどうやら物議を醸す発言を残して警察を辞職したらしい。この様子を見ると拠り所の親権も奪われてしまったのかもしれない。切ない(TT)
そんなラケルさんが思い出に浸るように教授に貰ったポストカードを眺めていると、教授からの隠されたメッセージに気付く。
彼女は教授が待っているであろう島に恐らく久しぶりに気合入れてお洒落して駆けつけ、最後の希望を探す。
スマホの充電が切れ、困っていると…というラスト。ひゃーっ! いいね! こういうのでいいんだよ。教授も内心諦めてただろうから最後の嬉しそうな表情見ると和んだ。(てかラケルさんはモバイルバッテリー持ち歩いとけw)

ザ・ベスト・スパニッシュ・ドラマ・エヴァ

本当に面白かった。
元々はこれもスペインのローカルだもんな。イギリスからブラックミラーを買い取ったのも良かったけど、Netflixは仕事をやってくれるぜ!

そして…

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なんとシーズン3が更新されるらしい。うおお!
……いや、嬉しいけど、正直怖い。
シーズン2で綺麗にまとまってるのよ。確かに気になるところや明かして欲しい秘密はあるが、別にそれは求めてないわけよ。
そういうのを見られるかもってワクワクより、教授とラケルさん、デンバーとモニカに、何か不幸なことがあるのではってドキドキのほうが怖い。もう何かあってほしくないわけじゃん。平和に過ごしててほしいわけじゃん。(トーキョーとリオはどうにでもなりそうだから好きにしてw)でも続きがあったら何かあるかもしれないじゃん。怖い。
ESTOCOLMO(ストックホルム)とか書いてあるってことはあの子強盗になっちゃうの?(笑) そもそもどういう話になるんだろうか?
でも絶対見る。めっちゃ夢中になったし、俺の中で大切な作品になったから。

『ペーパー・ハウス』シーズン1を一日中ぶっ通しで観た

一日中ぶっ通しで観た『ペーパー・ハウス』シーズン1。
やばいくらい面白かった。
スペインのローカル制作のNetflix独占配信作品。いや正直、あのサムネとトレーラーをみる限りナメてたんだよ。個性的な仮面をつけた腕利き共が造幣局に強盗。な~んかまたしょうもなさそうなハナシだな…でもまあ観てみるか。みたいな。俺は間違ってた。めっちゃオモロいわこれ!!
何となく再生したドラマがめっちゃ面白いとなんか、ついテンションが上がってしまう。
でググったら割と話題作だったらしい。こんなドラマ見過ごしてたとか俺どんだけ遅れてるんだよw まあいいけど。

youtu.be

↑トレーラー。

どうでもいい話だが「Money Heist」という英題が不評で笑った。直訳すれば「お金強盗」だ。確かに笑える。
でも英題ってそんなんばっかな気がするけどね。
原題は「La Casa De Papel」で、直訳すれば「紙の家」。まあお金強盗に比べたら紙の家のが瀟洒な響きではあるか。邦題「ペーパーハウス」は普通。変なひねり加えるより百倍マシ。
ほんとどうでもいい話だがw


感想。ネタバレあり

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誰もが教授みたいな男になりたいと思う

「世界で一番イカれた強盗劇がアメリカじゃなくてスペインで起こってる!」
スカウトされた腕利きたちが造幣局に籠城。時間を稼いでユーロを印刷しまくる。稼ぎ出すのは24億ユーロ。日本円だと3000億円くらい? それ以上か。自分もその子供もさらにその子供も不自由しないレベルのイカれた金額だ。
この計画を統括するのは”教授”と呼ばれる男。謎だらけの男だが頭は切れる。
この教授がイカれるくらい魅力的。
一見ピンチのように見えても、「計画通り」みたいな顔つきで相手を翻弄するのがやべえくらいカッコいい。
でもニヒルな感じじゃなくて、浮世離れした、なんつーか大人しい奴感溢れる立ち振る舞いなのが、めっちゃイケメンなのとアンバランスで面白い。これが知的ってやつ? 全・陰キャラの憧れだろ。もちろん俺も憧れる。

登場人物の危険な魅力

このドラマ、教授以外の登場人物も凄く魅力的ではあるものの、どうしても言わずにはいられないことが一つ。仕事に集中しろ。
どいつもこいつも身勝手に動き過ぎる(笑)

まずトーキョー。お前大概にしろよ? 前の仕事で元カレ死んだのめっちゃ後悔したんじゃねえのかよ。仕事に恋愛を持ち込んだのは失敗だったんだろ? じゃあなんで今回も、それも稀代の大強盗の時にまで一回り年下のガキに惚れ込むんだよ。いやまあそこまでは仕方ない感あっても勝手なことしてみんなの計画をめちゃくちゃにするのはやめろ! モスクワがガツンと言ってくれた時はすっきりしたわ。
リオ。お前何しにきたかわかってんのか? まあこいつはテクノロジー要員だし子供だからしゃーないところはある。彼はプロの強盗じゃないが人手不足からかテクノロジー以外の仕事も任されるので、そこはギリギリでやってんのかな感はあるからまあ仕方ない。
ベルリン。仕事を遂行するという能力においては高いはずだが、短気すぎるだろう……すぐに殺したがる。いやわかるが。まあわかるが。トーキョーとかリオあたりが勝手に動き過ぎるせいで割食ってるところはある。有能な事は確か。
デンバー! いい奴か。普通に。
教授!! ラケルさんに夢中になりすぎだろう……策略なのかと思ったら普通にピンチになってるし。どうするんだよマジで

マジメに仕事してんのはナイロビ、モスクワ、ヘルシンキオスロくらいのものか。
教授、もうちょい人選なんとかならんかったんか……つーか個人的な関係はご法度としながら、トーキョーとリオの関係は見過ごすわ、親子・兄弟を普通にスカウトするわ、自分とベルリンは家族か友人っぽいわで、個人的な関係だらけじゃねえか。なんなんだ? 俺は教授に転がされてるのか……?

取りあえず内輪もめしてるせいで人質の動きを見逃してるのはハラハラさせてくる(笑) 人手不足なところがあるとはいえ。
特にアルトゥーロの野郎を野放しにするのは……まずいだろ。アルトゥーロは基本は小物だがそれなりに勇気がある。うぜえ。黙って大人しくしとけばいいのに、ヒーロー気取りで反乱を企ててくる。で自分がピンチになったらめっちゃビビるみたいな。コメディ要員ですか。でもオスロがこいつのせいでやられたと思うと……ヘルシンキもよく我慢したよな。てかマジでアルトゥーロなんなん? やべえだろ。不倫相手孕ませてるヤベェ奴のくせに図に乗りすぎだろ。マジでヘルシンキ、やっちまってよかったのに(笑)

とにかく強盗連中のキャラが魅力的すぎるんだよな。
ナイロビとモスクワは良い奴すぎて普通に好き。酸いも甘いも噛み分けた、元ヤン特有の哀愁を感じる。
トーキョーはイラつかせてくることも多いけど肝は据わってるし、危険な魅力はある。魔性の女みたいな感じ。「関わる者をみんな不幸にする」みたいなこと言われた時泣いてたね。自覚あるんだろうな……
ベルリンも気になるんだよな~こいつはプロっぽくて好き。なんかイキり倒してるけど(笑)
デンバー! いい奴かお前。

強盗に対処する警察側では何と言ってもラケルさん。めっちゃ良い奴!
教授に夢中になってるものの、まあいつか正体ばれるんだろうな感が切ない。ばれなくていいよ。教授も明らかにラケルさんめっちゃ好きだし、平和路線でいってほしい……
こういう人は報われてほしいんよ (TT)

続くのかよ!

シーズン1、悪質なところで終わりましたね(笑) クリフハンガーはやめてくれ。俺に効く
シーズン2まであるのは知ってたけど、最近はやりの世界観共通で別のキャラが主役みたいな手合いだと勝手に思ってた。普通に続くんだな。
寝れなくなっちまう…
ほんと面白いこのドラマ。傑作。